スケートボードの選び方(初心者編)

これからスケートボードを始めてみたいのだけれど…、回りにやっている友達がいないし…。はたまたトラックとかハンガーとかアクスルとかって全然意味が分からないのですけれど?等など。これからスケートボードをはじめてみたい。或いは始めたばかりのお客様に分かりやすくスケートボードについて解説していきたいと思います。

スケートボードの各パーツの名称について

一台のスケートボードは色々なパーツから組み上げられています。これらスケートボードのパーツ個々の名称とその機能を知ることによって、より自分にあったカスタマイズ方法などを知る事ができます。ある意味何千通り、何万通りという組み上げ方ができるスケートボードの面白さがここにあります。是非自分に合ったスケートボードを探してみて下さい。

トラックの名称について

トラックの名称について
トラックは金属でできている、スケートボードでも最も重要なパーツの一つです。色々なパーツが集まり1つのトラックとなります。


ハンガー:ハンガー部分が広ければ広い程、左右のウィール間の距離が広がります。左右のウィール間の距離が広がれば、広がる程、回転性は失われますが、反面直進性、安定性が良くなります。


アクスル(シャフト):アクスルシャフトとも言われます。この部分にウィールを通します。


アクスルナット:ウィールとトラックを固定するナット。


アクスルワッシャー:ウィールの表と裏に基本的には1枚ずつ。後はセッティング次第では複数個入れます。


ライザーパッド:トラックとデッキの間に挟むスペーサーです。深いカービングなどを行い、トラックに傾斜角度が付くと、セッティング次第ではウィールとデッキが接触し、ウィールがロックしてしまう、『ウィールバイト』が起こります。これを回避するのが主な目的ですが、それ以外に路面の衝撃を吸収したりする目的もあります。しかしこのライザーパッドが厚ければ厚い程、地面との距離が開いてしまい、結果挙動が不安定になります。


キングピン:ブッシュとハンガーを通す重要な部分。全ての荷重がこのパーツにかかります。


カップワッシャー:ブッシュの受け皿。


キングピンナット:キングピン、ブッシュ、ハンガーを止めるナット。このナットには内側に滑り止めのナイロンが付いてます。当ナットをある程度緩めることでよりトラックに傾斜角度がつけられたり、逆に締め付けることで、より直進性を良くしたり、と調整する事ができます。


ベースプレート:マウント、ベースマウントととも呼ばれます。ベースプレートにある4つ穴でデッキと固定します。この4つ穴の規格は基本的には2種類(オールドスクール及びニュースクール)あります。昨今はほぼニュースクールになりますが、トラックによっては両方とも対応できるよう6穴のトラックもあります。


ピボットカップ:ハンガーについたピボットを入れるカップ。


ピボットブッシュ:ピボットとピボットカップの間に挟むブッシュ。衝撃吸収や動きをスムーズにする役割。


ウィールとベアリングとトラックのセッティング方法について

ウィールとベアリングとトラックのセッティング方法について
ウィール1つに対してベアリングが2つ入ります。この為1台のスケートボードを作るには、ベアリングは8個必要になります。
2つのベアリングの間にベアリングスペーサーを入れることにより、ウィールの回りが格段に良くなります。
※2つのベアリング間の距離は通常8mm或いは10mmです。通常はほとんどの場合10mmです。


ウィールにベアリングを装着したら、今度はそのウィールをトラックに装着します。その際は、先ずトラックのアクスルシャフトにアクスルワッシャーを入れ、その後ウィールを入れ、再度アクスルワッシャーを入れて、アクスルナットで締めます。ウィールはアクスルワッシャーでサンドイッチされている状態になります。


アクスルナットの内側にはウレタン製の滑り止めが付いています。ウィールを装着する際は、アクスルナットを半周~1周分程度緩ませておくのが一般的です。思い切り締めてしまうとウィールが回らなくなります。
この為滑り止めが付いています。


スケートボードのデッキの長さについて

スケートボードにおいて一番の乗り味を決めるのがデッキの長さです。厳密に言うとデッキのホイールベースの長さになります。ホイールベースというのは前後のウィール(車輪)の間の距離のことを指します。


ホイールベースは長ければ長い程、安定性(直進性)は良くなりますが、その一方で回転性が悪くなります。逆にホイールベースは短ければ短い程、回転性は良くなりますが、直進性が悪くなります。これは常に反比例の法則になってるわけなので、このバランスを自分の滑るシーンに合ったものを選ぶのが強いては有効な判断材料となります。


例えば平地で、しかも狭小地で滑るには、ホイールベースは短い方が良いです。スピード自体狭小地では出せませんので、回転性を良くして滑るのが楽しめます。また最初は自走加速する事を覚えるには、短めのホイールベースの方がより安易に体感できます。


ウィール(車輪)について

ウィール(車輪)について
スケートボードのウィールには、通常の場合硬度表記がされています。例えば 65mm 78a だったり、62mm 100aだったり…。はたまた55mm 99duroだったりとなります。


先ず65mmや62mmというのは皆さん分かりやすいかと思います。これはウィールの直径となります。つまりはウィールの径を現します。


続いて表示されているのはウィールの硬度表示になります。ウィールにはそれぞれ硬さがあります。一般的通常のアスファルトで滑る場合は78a前後が最適だと言われてまして、一方でスケートパークなどでは95aだったり100aだったりになります。この数字が大きくなればなるほどウィールは硬くなり、また小さくなればなるほどウィールは柔らかくなります。基本的に現状一番柔らかいウィールの硬度表示は75a程度になります。一方一番硬いウィールは100aとなります。但し一般的にはあまり知られてないようなのですが、このウィールの硬度表示は実はメーカーごとの規格となるそうなので、例えば同じ78aでもAbec11とKryptonics社とでは若干違う硬さになります。


では一体ウィールが硬いとどうなのでしょうか?柔らかいとどうなのでしょうか?


ウィールは硬ければ硬い程、初速が早くなりますが、一方で路面のギャップを掴みやすくなります。またグリップ力もなくなります。逆に柔らかければ柔らかい程、初速は遅くなりますが、その分路面のギャップも拾わなくなり、グリップ力も出てきます。スケートパークなどコンクリートなどできれいに固められたシーンで乗る分にはギャップもないので硬いウィールの方が適しています。そのまた一方でアスファルトなどの道路で乗る場合は、路面のギャップも多いので、その分柔らかめのウィールが適している事になります。またウィールの成分の違いになりますが、一般的にウィールは柔らかい程重たくなり、硬い程軽くなります。


一方ウィールの径はどうなのでしょうか?


ウィールの径は大きければ、大きい程、初速は遅くなりますが、その分スピードの乗りが良くなります。逆に小さければ小さい程、初速は早いですが、逆にスピードの乗りは悪く、すぐに失速してしまいます。これをシーンに置き換えますと、例えばダウンヒルでの場合は、70mm~80mmなどという大口径のウィールが良く用いられます。逆にストリートスタイルなどのスケートボードは硬くて小さなウィールが選ばれますが、これは初速を重視しているためで、少しの力と時間でスピードを稼ぎ、その力を応用してトリックに繋ぐという事からも判断ができます。


シーンごとの適正ウィールサイズと硬度について

アスファルトをクルージングするウィールは60mmから70mm程度のウィールで硬度78a前後がお勧めとなります。


ストリートスタイルでアスファルト上でオーリーやトリックを決めたいという場合は50mm~60mm程度のウィールで硬度は95a~100a程度がおすすめとなります。


ダウンヒルでの滑走の場合は、65mmから80mm径程度でウィール硬度は78a前後になります。またこれは走る路面の質によっても違ってきます。


スケートパークでの滑走の場合は、50mm~65mm程度。硬度は85aから100a程度になります。あくまでもパーク内でどのようなスタイルで滑るのか?にもよってきます。グリップがある程度必要なのであれば柔らかめ。またある程度フラットな場所を長くスピードに乗って走りたいという事であれば、ある程度大き目のウィールが必要になってきます。



トラックについて

ハンガー幅が広ければ広い程、回転性は悪くなりますが、安定はしてきます。逆に狭い程、回転性は良くなりますが、その分挙動が不安定になりがちになります。デッキのホイールベース同様、回転性と直進性は反比例する関係にあります。


ベアリングについて

ベアリングはウィールの内部に装着されている滑車の事です。一般的には消耗品になります。使い込んでいくうちに内部に埃やごみが入り込み回転が鈍くなってしまいます。また濡れた路面などで走っていると内部がさび付いてしまう事もあります。
ベアリングには工業規格がありまして、Abec1からAbec9までが一般的です。数字が大きくなるほど摩擦抵抗が低く、良く回るベアリングになります。但しあくまでも工業規格での事なので、スケートボードとして利用するに当たっては一概には言えない
面もあります。


ベアリングの回転性を良くする一つのパーツにベアリングスペーサーというものがあります。1つのウィール内には2つのベアリングが装着されており、その2つのベアリングの間に当スペーサーを入れることによって、ウィールの回転は目に見えてよくなります。